こんにちは、Private School吉祥寺校です。
3学期制の学校のみなさんは、多くがそろそろ定期テストが終わりの頃ですね。
中学生の親御さんからよくお聞きするのが「ウチの子は暗記が苦手で…」「だから理社はいまいちで…」というお話。
確かに、中学の理社は覚える要素が多いです。
それぞれの分野の基礎をやるので、覚えなければならないことは必然に多くなります。
でも、中1でやることが、大学入試に直結することもあるんです。
たとえば社会では、1学期中間から期末の間の範囲で「世界の気候」を扱う学校が多いと思います。
その中には「雨温図」という気温・降水量の月別グラフが含まれます。
これが、共通テストで出題されています。
(令和2年度本試験・地理B・大問4)
問題を似た感じで再現してみましたので(著作権の都合です)、ぜひ解いてみてください。
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【問】次の図2は、図1中のA~Dのいずれかの地点における月平均気温と月降水量を示したものである。Dに該当するものを、図2中の①~④のうちから一つ選べ。
図1
図2
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本来の問題は大学入試センターのウェブサイトで見られますので、ぜひ苦心の作を比較してください…(笑) → 問題pdfはこちら
余談ですが、本来の「C」はもう少し西の方(おそらくミクロネシア連邦)です。ただ、気象庁のデータにその国のものが無く、近隣国もデータが欠落していたので、一番似た傾向になりそうなキリバスのデータを使っています。そのため地図・雨温図とも少し違っていますが、解答に影響はありません。
で、この問題は本当に中学生でも解答可能で、解っていれば5秒で正解できます。
(ただ、学校によっては、今はそこまで詳しく教えていない可能性もあります)
「Cのあるあたりが赤道」(マレー半島の先っちょ=シンガポールがほぼ赤道直下)と解っていれば、気温が温暖で変動が少ない②・③は消去できます
言い換えれば、Dは南半球なので、7月に寒くなる①・④のいずれかになります。
そして、Bのあたりは乾燥しているため、正解は降水量の多い④になります。
(Aは③、Bは①、Cは②です。)
共通テストの問題も中学で扱う範囲から解けることがある、とお解りになりますでしょうか。
だから、中学理社といえど、馬鹿にできないんです!
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もちろん高校では「ケッペンの気候区分」の一環でもっと詳しく扱います。
例えば、Dのあるニュージーランドは温帯の「西岸海洋性気候」。オーストラリア南東部・タスマニア・ニュージーランドは西岸じゃないし日本なら亜寒帯の緯度だけど、この「西岸海洋性気候」なのは、暖流の東オーストラリア海流の影響が大きい。
そういえば東オーストラリア海流」は「ファインディング・ニモ」でシドニーに行くのに使ってましたね、みたいな知識になるんですが
逆に言えば、ケッペンの気候区分があまり解っていなくても解ける問題なのに、高3で間違える人はかなりヤバいです…
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Private School吉祥寺校に通っている中1の子は、主に英語や数学で通ってくれていますが、理社が苦手な生徒さんには理社の宿題もちょっとずつ出すようにしています。
やはり一番大事なことは継続です。
ただし、丸暗記でもダメです。
おすすめのやり方については、また項を改めて。
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