「通信制高校に行くと大学進学は難しくなるのでは?」——保護者の方から最も多くいただく質問のひとつです。結論から言えば、通信制高校から大学進学はできます。出願資格は全日制と同じで、入試で不利になることもありません。ただし、データを見ると「環境の選び方」で結果に差がつくのも事実です。この記事では、文部科学省の統計をもとに通信制からの大学進学の実態を整理し、合格までのロードマップを解説します。
この記事の内容
結論:進学はできる。差がつくのは「環境選び」
大学の出願資格は「高等学校卒業(見込み)または同等の学力」です。通信制・全日制・定時制のどの課程を卒業しても資格は同じで、出願書類で課程が理由で不利に扱われることはありません。実際、通信制高校から国公立大学や難関私大に合格する生徒は毎年います。
一方で、通信制高校の多くは「高卒資格の取得」を主目的に設計されており、大学受験レベルの学力養成は標準カリキュラムに含まれていないことがほとんどです。つまり「進学できるかどうか」は課程の問題ではなく、受験対策の環境をどう確保するかの問題です。ここを入学前に設計しておくことが、3年後の結果を大きく左右します。
データで見る通信制からの大学進学率
文部科学省の通信制高校に関する最新案内によると、令和6年度間に通信制高校を卒業した方のうち、大学・短期大学などへの進学は約29%です。進学先の内訳や年度ごとの数値は、文部科学省の公表情報で確認できます。
| 区分 | 大学進学率 |
|---|---|
| 高校全体(全日制・定時制含む) | 約6割(参考) |
| 通信制高校卒業生 | 約29%(大学・短期大学などへの進学) |
「全体より低い」と感じるかもしれませんが、この数字の読み方には注意が必要です。通信制には、働きながら学ぶ人・高卒資格の取得を第一目標とする人など、そもそも大学進学を目的としない生徒が多く在籍しています。大学進学を目指して環境を整えた生徒に限れば、状況はまったく異なります。実際、受験対策に特化したサポート校や進学コースでは、全日制と遜色ない進学実績を出しています。
通信制が大学受験に有利な3つの理由
① 使える時間が圧倒的に多い
全日制の高校生は平日の日中のほとんどを学校の授業に使いますが、その授業内容が入試に直結するとは限りません。通信制ではレポートとスクーリングで単位を取得するため、1日の大半を受験勉強に充てられます。この時間の自由度は、浪人生に近い学習量を高校在籍中に確保できるということです。
② 自分のペース・レベルから始められる
集団授業では「わからないまま進む」ことが起きがちですが、通信制+個別指導の組み合わせなら、中学範囲のやり直しからでも、逆に先取りでも、自分の現在地に合わせて設計できます。不登校で学習にブランクがある場合も、基礎から積み直せます。
③ 出席日数のハンデがない
起立性調節障害(OD)などで朝の登校が難しい場合でも、通信制なら出席日数を理由に留年・卒業延期になる心配がほとんどありません。体調に合わせながら、卒業と受験準備を並行できるのは通信制ならではの強みです。
つまずきやすい3つのポイント
① 学習計画を自分で立て、実行し続けるのが難しい
自由な時間が多いことは、裏を返せば「管理してくれる人がいない」ということです。受験までの長期計画を立て、日々実行し続けるのは大人でも難しく、ここが通信制からの受験で最大の壁になります。
② 演習量・実戦経験が不足しがち
通信制のカリキュラムだけでは、入試レベルの演習量は確保できません。また模試の校内実施がない学校も多く、自分の立ち位置を知らないまま受験期を迎えてしまうケースがあります。模試は個人で申し込めますが、会場受験のハードルから避けてしまう生徒が少なくありません。
③ 受験情報・相談相手が不足しがちに
入試制度は年々複雑化しており、総合型・学校推薦型・共通テスト利用など選択肢も多様です。担任との接点が少ない通信制では、進路情報を得る機会と、迷ったときの相談相手を意識的に確保する必要があります。
合格までのロードマップ(学年別)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高1 | 英数国の基礎固めが最優先。学習習慣づくりと、模試で現在地を知ることから始める。単位修得は計画的に進め、3年次に受験へ集中できる状態をつくる |
| 高2 | 志望校・入試方式を仮決めし、科目を絞って応用力を養成。総合型・推薦も視野に入れるなら、評定と活動実績・英検®などの資格取得をこの時期に積み上げる |
| 高3 前半 |
過去問分析と演習中心へ移行。総合型・推薦組は志望理由書・小論文対策を本格化(出願は9月〜) |
| 高3 後半 |
総合型・学校推薦型の入試本番(9〜12月)。一般選抜組は共通テスト(1月)〜私大・国公立入試(1〜3月)へ |
ポイントは、単位修得のスケジュールと受験勉強のスケジュールを最初から一体で設計することです。3年次にレポートに追われて受験勉強が止まるという事態は、1・2年次の計画で防げます。
推薦・総合型選抜という選択肢
通信制高校の生徒も、学校推薦型選抜・総合型選抜に出願できます。(一部大学を除く)いまや私立大学入学者の50%以上が推薦・総合型で入学する時代であり、この選択肢を使わない手はありません。
- 時間の自由度が活きる:ボランティア・資格取得・探究活動など、学校外の活動で志望理由書に書ける経験を在学中に積みやすい
- 評定を整えやすい:自分のペースでレポート・テストに取り組めるため、計画的に評定平均を確保しやすい
- 対策には指導者が必要:志望理由書・小論文・面接は独学での対策が難しい分野。添削・模擬面接を受けられる環境を確保したい
なお、指定校推薦の枠は在籍する通信制高校によって大きく異なります。転入・入学前に「どの大学の指定校枠があるか」を確認しておきましょう。
よくある質問
- Q. 通信制高校の卒業だと、大学入試で不利になりませんか?
- A. なりません。出願資格は全日制と同じ「高等学校卒業(見込み)」で、調査書の様式も共通です。合否は学力試験・書類・面接等の内容で決まります。
- Q. 不登校で内申点がほぼありません。それでも大学に行けますか?
- A. 行けます。大学入試で使われるのは高校での評定であり、中学の内申点は関係ありません。通信制高校で計画的に評定を積み上げれば、推薦・総合型選抜も十分狙えます。詳しくは不登校の中3生向けの進路解説もご覧ください。
- Q. 通信制高校とサポート校の違いは何ですか?
- A. 通信制高校は高卒資格を出す「学校」、サポート校は在籍生の学習・進路を支援する民間機関です。受験指導に強いサポート校を選べば、塾・予備校なしで大学受験対策ができます。詳しくはサポート校の解説ページをご覧ください。
- Q. 費用はどのくらいかかりますか?
- A. 通信制高校の学費は就学支援金でかなり軽減されます。受験対策を塾・予備校で行うか、学費内に含むサポート校で行うかで総額が変わります。学費と就学支援金の解説記事で詳しく比較しています。
大学進学率100%。受験対策まで学費内で完結するサポート校
アップ高等学院は、阪急西宮北口駅直結・西宮ガーデンズゲート館6階にある大学進学に特化した通信制高校サポート校です。プロ講師による1対1の完全個別指導に加え、進研模試・英検®・映像授業・小論文対策まで学費に含まれ、塾・予備校の追加費用がかかりません。2026年度は大学進学率100%(関西大学・近畿大学・甲南大学・摂南大学など)。
「今の学力から間に合う?」という段階のご相談も歓迎します。オンラインでもご相談いただけます。
LINEでも気軽にご相談いただけます(友だち追加はこちら)。