高校を選ぶとき、「通信制・全日制・定時制って何が違うの?」と戸惑う方は少なくありません。3つはすべて「高等学校」であり、卒業すれば同じ高卒資格が得られます。大きく違うのは、通学の頻度・授業の受け方・卒業に必要な条件です。この記事では、3つの課程の仕組みを整理したうえで、どんな状況の人にどれが向いているかを解説します。
3つの課程、まず仕組みを整理する
高等学校には、学校教育法により「全日制」「定時制」「通信制」の3つの課程が定められています。どれを選んでも卒業時に得られる「高校卒業資格」は同じです。
| 課程 | 主な学び方 | 標準的な修業年限 |
|---|---|---|
| 全日制 | 平日毎日・昼間に登校して授業を受ける | 3年 |
| 定時制 | 夕方〜夜間(または午前・午後)に登校して授業を受ける | 3〜4年(単位制は4年が多い) |
| 通信制 | 自宅でのレポート学習+年数回のスクーリングが基本。週5日通えるコースも選べる | 3年以上(単位取得ペース次第) |
よく混同されますが、「サポート校」は高等学校ではありません。通信制高校に在籍している生徒の学習・生活・進路をサポートする民間の教育機関で、サポート校だけでは高卒資格は取れない点に注意してください。詳しくは「通信制高校とサポート校の違い」をご覧ください。
卒業要件の違い
どの課程でも卒業には「単位の修得」「特別活動」「在籍年数」の3要素が必要ですが、単位をどう積み上げるかが大きく異なります。
| 課程 | 卒業に必要な単位数 | 単位の取り方 | 出席日数 |
|---|---|---|---|
| 全日制 | 74単位以上 | 毎日の授業への出席・定期テスト | 学校の履修規定に基づく出席・評価要件 |
| 定時制 | 74単位以上 | 授業への出席・定期テスト(全日制と同様) | 学校の履修規定に基づく出席・評価要件 |
| 通信制 | 74単位以上 | レポート提出+スクーリング出席+単位認定試験 | 毎日の出席日数ではなく、スクーリング等の要件を満たす |
全日制・定時制の単位取得に必要な出席・評価の基準は、学校や科目の規定により異なります。通信制は毎日の出席日数を求める仕組みではありませんが、レポートの提出、スクーリング(面接指導)、単位認定試験などの要件を満たす必要があります。
通学・生活リズムの違い
3つの課程で最も生活に影響するのが「通学の頻度と時間帯」です。
全日制高校
月〜金の平日、朝8時前後〜午後3〜4時ごろまで登校する形が一般的です。単位取得に必要な出席・評価の基準は学校ごとに異なるため、体調面を含めて無理なく通えるかを確認しましょう。クラス単位の活動や行事が多く、友人関係・学校生活の充実を求める場合に向いています。
定時制高校
夕方〜夜間に授業を行う「夜間定時制」が代表的ですが、近年は昼間や午前・午後の部を設けている学校も増えています。「働きながら高校を卒業したい」という人が多かった課程ですが、現在は不登校経験者や事情がある生徒も多く在籍しています。通学する時間帯が選べる点がメリットで、朝が苦手な人にも対応しやすい場合があります。通学日数や単位取得の要件は学校ごとに確認しましょう。
通信制高校
自宅でレポートを進めるのが学習の中心で、スクーリング(登校)は年数回〜週数日まで学校・コースによって幅があります。毎日登校する必要がないため、起立性調節障害や体調面の課題を抱える生徒、一度不登校になった生徒、自分のペースで学びたい生徒に選ばれています。一方、自分で学習を進める自律性が求められます。
学費の違い
公立か私立か、どんなコースを選ぶかによって幅がありますが、大まかな目安として3年間の学費を比較します。
| 課程・設置 | 3年間の目安(授業料ベース) | 就学支援金 |
|---|---|---|
| 全日制・公立 | 約10〜20万円 | 適用あり |
| 全日制・私立 | 約200〜300万円以上 | 適用あり(上限:年額45万7,200円・全日制) |
| 定時制・公立 | 約5〜15万円 | 適用あり |
| 通信制・公立 | 約10〜15万円 | 適用あり |
| 通信制・私立 | 約60〜150万円(コース次第) | 適用あり(支給上限は履修形態により異なる) |
| 通信制+サポート校 | 通信制の学費+サポート校費用(年40〜100万円程度が多い) | 通信制分のみ適用(支給上限は履修形態により異なる) |
就学支援金は令和8年4月から所得要件が撤廃されました。ただし、対象校への在籍、申請、支給期間、履修形態・履修単位数などの条件により、支給額は異なります。私立通信制高校は年額授業料制か単位制かで上限の扱いが異なり、単位制では1単位あたりの上限額が定められています。サポート校(アップ高等学院)の費用は高等学校等就学支援金の対象となりません。学費の詳細は「通信制高校の学費と就学支援金」で解説しています。
大学進学への影響
3つの課程はすべて同じ高卒資格であり、大学受験の出願資格に差はありません。ただし、大学進学率や受験サポートの充実度には差があります。
| 課程 | 大学・短大への進学率(参考) | 受験サポート |
|---|---|---|
| 全日制(公立) | 約50〜60% | 進学校なら手厚い。普通科でも自習環境・進路指導あり |
| 全日制(私立) | 約60〜70%(進学校は90%超) | 学校によって大きく差がある。予備校と提携の進学校も多い |
| 定時制 | 約20%前後 | 就職支援が中心の学校が多く、受験サポートは学校によって差大 |
| 通信制(単体) | 約30%前後 | 卒業サポートが中心で受験指導は別途必要な場合が多い |
| 通信制+サポート校(進学特化) | 校によっては100% | 大学受験指導まで一貫して提供する学校もある |
※進学率は文部科学省の「学校基本調査」等をもとにした目安です。学校・年度によって大きく異なります。
「通信制高校だと大学に行けない」は誤解です。ただ、通信制高校の多くは「高卒資格の取得」が主な目的のため、大学受験指導を別途用意する必要が出てくることもあります。大学進学を目指す場合は、受験指導まで一貫して行うサポート校との組み合わせを検討するか、学校の進学実績を具体的に確認しましょう。
どのタイプが向いているか
一般論ですが、以下のような整理が参考になります。
| こんな状況・希望なら | 向いている選択肢 |
|---|---|
| 毎日元気に通えて、クラスの仲間と過ごしたい | 全日制高校 |
| 朝が苦手・体調に波があるが、毎日どこかに行く生活をしたい | 定時制高校(昼間部・午後部) |
| 不登校・体調不良で毎日の登校が難しい | 通信制高校(±サポート校) |
| 自分のペースで学びながら大学進学を目指したい | 通信制高校+大学進学特化のサポート校 |
| 仕事・活動と両立しながら高卒資格を取りたい | 定時制高校または通信制高校 |
| オンラインで学習を完結させたい | 通信制高校(ネット学習コース) |
「今の体調や状況」と「3年後に何をしたいか」の両方から考えると、ミスマッチが起きにくくなります。無理のない通学頻度で卒業でき、かつ進路の目標に向けたサポートが受けられるかを確認しておきましょう。
よくある質問
- 全日制・定時制・通信制、卒業証書に違いはありますか?
- 卒業証書に「〇〇課程卒業」と記載される学校もありますが、大学や就職先への応募にあたって不利になることは基本的にありません。大学の出願資格はいずれも同じ「高等学校卒業(または卒業見込み)」です。
- 通信制高校に転入すると今まで取った単位はどうなりますか?
- 在籍していた全日制・定時制で修得した単位は、通信制高校に転入しても引き継げることが多いです。ただし学校・時期によって条件が異なるため、入学前にご確認ください。詳しくは転入・編入で確認したいポイントもご参照ください。
- 通信制高校でも高校生らしい経験(文化祭・修学旅行など)はできますか?
- 学校によります。スクーリングに行事を組み込んでいる通信制高校や、週数日通学コースを選べばそれに近い体験ができる学校もあります。見学・説明会でどんな行事があるかを具体的に聞いてみるのがおすすめです。
- 定時制高校と通信制高校、どちらが「楽」ですか?
- どちらも卒業に必要な単位数は同じです。「楽」という観点よりも、「自分の生活リズムに合っているか」「進路の目標に対してサポートが得られるか」を基準に選ぶと、3年間続けやすくなります。
- 通信制高校に通いながら大学受験の勉強はできますか?
- できます。ただし多くの通信制高校は「高卒資格の取得」が主目的のため、大学受験対策は別途取り組む必要があります。受験指導まで一貫して行うサポート校と組み合わせるか、塾・予備校を併用するのが一般的です。アップ高等学院では提携通信制高校との組み合わせで、卒業サポートから大学受験指導まで一貫して提供しています。
通信制高校+大学進学を、一貫してサポート
アップ高等学院は、阪急西宮北口駅直結の大学進学に特化したサポート校です。提携通信制高校と組み合わせることで、高卒資格の取得から大学受験対策まで1つの場所で完結できる環境を整えています。
「どの課程・学校が合っているか分からない」という段階のご相談も歓迎です。オンラインでもご相談いただけます。
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