まずはウォーミングアップ
【問題】
交差点を通過する車両について,右折車,左折車,直進車に通行の優先順位は存在するか?あるとすれば,最も優先順位の低いのはどれか?
タイトルとは全く関係のなさそうな問題ですが,息抜きがてらに考えて自分なりの答えを出してみてください.自分の答えが決まったら下にスクロールしてください.
- 【解答】
ある.最も優先順位が低いのは右折車(道路交通法37条参照.)
合っていましたか?もしかすると聞いたことがある方もいたかもしれません.
理由はいたって単純です.日本の道路は左側通行なので,交差点で右折をする際には対向車線を横切ることになります.よって,右折車が他の車を譲らなければ,例えば対向車線の直進車と衝突事故を起こす危険性があるわけです.そういう訳で,「左側通行なので右折車の優先順位は低い」ということになります.将来四輪自動車免許を取得する際に覚えておくと便利かもしれません.
実は,この問題に正解したか否かはまったく重要ではありません.大事なのは,
- 覚えるときに理屈をセットにしたか
- 自分なりの常識や理屈と照らし合わせて答えを導き出したか
の2つです.そろそろ本題に入りましょう.
理科の勉強法①:理屈も覚える
物理や化学の理解が進まない,得点が伸びないといった悩みを抱えている人はきっと少なくないことでしょう.きっと得意な理解の仕方は十人十色でしょうが,自分が好きな方法をここで少しだけ紹介しようと思います.
一見してなぜ起こっているのかわからない現象,なぜあるのかわからないルールや法則などにはそれを裏付ける傾向や目的があって,それを知ると意味がよくわかることがしばしばあります.例えば物理なら,それは運動方程式や保存則,熱力学第一法則などといった定理や法則であり,よくわからない現象もこれらを駆使すれば理解できることがしばしばあります.
新しい内容を覚えるときは,「なぜそうなっているのか」や「どんな現象と類似しているか」などといった理屈もセットで覚えましょう.また,その定理や法則の適用条件を一緒に覚えることも非常に重要です.例えば,「運動量保存則」を覚えるのではなく,「(その方向で)内力系であるならば,(その方向での)運動量が保存」というように覚えることが重要です.
先述の例でいえば,理屈もセットで覚えることは「右折車の優先順位が低い」だけでなく,「左側通行だから」も一緒に覚えることにあたり,「交差点を通過する車両等」が適用条件にあたります.
このように覚えると,うろ覚えのときも理屈が知識を補完してくれます.先の例が道交法の内容であったことからもわかるように,これは理科に限った話ではありません.要は,その教科や分野,内容ごとにその根底に横たわる理屈や精神があって,それをしっかり捉える,または捉えられなくとも自らで理屈を積み上げようとすることが非常に重要だということです.教科書や参考書の何気ない一言が重要だったりします.今一度熟読してみましょう.
理科の勉強法②:理屈を使いこなす
一番最初の問題の話に戻りましょう.答えを知っている今なら答えはあまりに自明に聞こえることでしょう.これは,「車道は左側通行である」という事実を使った結果にほかなりません.
このように,もしファーストコンタクトで答えの見当もつかない問題に遭遇した場合であっても,適切な考え方をすればきちんと答えを導き出せることがあるという事です.特に,大学受験の範疇であれば出題範囲が定まっているため,「きっと高校範囲内の知識を駆使すれば答えが導き出せるだろう」という心構えが重要になります.
これに関するコツは2つ挙げられて,
- 理屈をセットにした強固な理解
- ある程度の訓練
よいかが徐々にわかってくると思います.
共通テストに向けて
自分はセンター試験最後の世代なので,共通テストについて言及できることはほとんどありません.唯一,去年の物理だけ解いたことがあるので,それについて一言つぶやいて終わろうと思います.
去年の共通テストの物理の問題は実験の問題が多かった印象があります.実験問題において特に重要なのは
- 何をしているかについての理解
- どのような現象が起こっているか,または起こるかについての理解
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