9月上旬に川崎医科大学医学部の入試担当の方をお招きし、オンライン形式で医学部入試説明会を行いました。
説明会でお話いただいた内容を一部ご紹介させていただきます。
川崎医科大学の特色について
川崎医科大学は岡山県倉敷市にあり、JR山陽本線 岡山駅から倉敷駅方面へ3つ目の中庄駅下車、徒歩約15分のところにあります。大学に隣接する川崎医科大学附属病院、岡山市内にはもう一つの附属病院である「総合医療センター」、2023年9月には3番目の附属病院となる「高齢者医療センター」があります。さらに、単科医科大学として全国で唯一、川崎医科大学附属高等学校を併設しています。
創設者の川﨑祐宣は、病院は患者さんのためにある、という病院理念を掲げ、救急医療体制もない状態から24時間患者さんを受け入れていました。医学部設立以来特に救急医療に非常に力を入れており、現在に至るまで患者さん第一を掲げて診療を行い、2001年に全国に先駆けてドクターヘリを導入し、川崎医科大学教育棟の前には運用中のドクターヘリを見ることができます。
川崎医科大学は、1970年に創設者である川﨑祐宣の名前から大学名が採られた新設医学部です。「良医」を育てるという教育目標を掲げています。これはただ医師国家試験に合格することではなく、患者から信頼される人間性豊かで、幅広い知識と技能を有し、全人的医療ができるだけではなく、専門性を持ち、研究マインドを持ち新しい医学に貢献できる医師を育成するということです。
建学の精神は「人間(ひと)をつくる・体をつくる・医学をきわめる」です。
「人間(ひと)をつくる・体をつくる」に対しては、1年生全員が全寮制で、生活の規律やルールを遵守する姿勢、規則正しいリズムを身に着けることを学び、自己管理を確立する「教育寮」となっています。また、1~3年生、4~6年生の学年縦割りの小グループ制度が構成され、基礎系、臨床系の2名の教員がグループごとに生活指導や学習指導を行います。運動系の部活動も盛んです。
「医学をきわめる」に対しては、早期の医学専門教育の開始と参加型臨床実習の2つの大きな特徴があります。1つは、1年生の9月から人体の臓器・組織の名称を覚える人体解剖実習です。5年生でもう一度臨床解剖実習を行い人体に対する知識をより深めます。もう1つは、「医学研究の扉」で、研究マインドを涵養するために行います。2年生の11月に基礎医学、臨床医学の教室に配属され、教員の協力関係を通じて他の大学医学部へ学生を派遣し、医学研究に従事します。
附属病院の10階には臨床教育研修センターがあります。実際の病棟を再現した模擬病棟やシミュレーターを備えた演習室があり、医学生だけではなく、研修医や現場の医療スタッフがこのセンターでスキルアップを磨いています。
卒業後の臨床研修についての特徴として、2年目の希望する研修医を対象にスタンフォード大学に派遣する1カ月の海外研修があること、19ある専門医研修プログラムすべてを設定している全国にある約60ある病院のうち岡山県内では唯一川崎医科大学附属病院だけです。年々難化傾向にある第118回(2024年)医師国家試験の新卒の合格率は91.5%でした。
総合型選抜について
2025年度入試については大きな変更点はありませんが、新課程入試初年度になりますが、新課程に準じた試験科目で実施しますが、問題の内容によって旧課程履修者にも配慮を行います。
総合型選抜を実施する中国・四国出身者枠、霧島市地域枠、特定診療科専攻枠はいずれも専願制です。総合適性試験は英語、数学、理科(2科目を選択受験)、国語・一般教養が出題範囲で、記述式問題、小論文、面接で総合判定をします。
総合型選抜で出願時に必要な推薦書は、医師に限らず、コメディカルの医療従事者の方であれば保護者の方以外で受験者をよく知る方であれば推薦者になることが可能です。
特定診療科専攻枠の出願資格は、2025年4月1日現在で22歳以下で全国から出願可能です。医学部の6年間と初期研修期間終了までは全ての診療科をローテーションで回り、後期研修からは救急科、総合診療科、麻酔・集中治療科の3科のうちいずれかを選択できます。
中国・四国地域出身者枠と霧島市地域枠の出願資格は、2025年4月1日現在において18歳に達しており22歳以下の者(4浪まで)です。また、中国・四国出身者枠は中国・四国9県の高校卒業者か中国・四国9県の住民であること、霧島市枠は霧島市内の高校出身者または、霧島市の住民であることが必要です。
卒業後、特定診療科選考枠、中国・四国出身者枠、霧島市地域枠いずれも初期臨床研修を含む6年間川崎医科大学附属病院をはじめとする3つの病院で研修を行うことが条件です。
一般選抜について
2025年度入試では長崎県地域枠の募集人員が4名の予定です。一般選抜の2次試験は2日間ありますが、2日間のうちどちらになるかは大学が指定します。出願が早ければ1日目、出願締切に近ければ2日目となるということです。
1次試験は英語・数学・理科2科目の学力試験で判定し、2次試験の小論文、面接、調査書等と合わせて多面的・総合的に評価し判定します。1次試験の合格最低点は350点中223.5点(得点率63.9%)でしたが、1次試験で最大限多くの点数をとることが必要だということです。1次試験でのケアレスミスに気をつけること、また不得意科目と得意科目との得点差を最大限小さくすることが大切です。この2点は医学部入学後の学修においても不可欠な要素です。
2024年度入学者の年齢別構成について
2024年度在学生出身都道府県別分布を見ると西日本出身者が多いものの、最近では北海道や東京、静岡、愛知などの出身者も在籍しています。2024年度入学者データは、入学者126名中現役・浪人比率では、現役:浪人=37%:63%でした。浪人の内訳で見ると、1浪が38名、2浪が23名、3浪が11名、4浪以上が8名と多彩な年齢構成となっています。
川崎医科大学の受験をお考えで詳しい内容をお知りになりたい方はMedi-UPまでお問い合わせください。
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