こんにちは。Medi-UP数学科の大矢圭祐です。前期入試全日程が終わりましたね。去年も書きましたが、今日は関西4私大の数学入試問題について書いていこうと思います。
(数学・物理担当 大矢圭祐講師)
兵庫医科大学(1/24)
問題数や範囲については例年通りでした。「直線に下ろした垂線の足」「複素数平面上での最大最小」「格子点」「微分法の不等式への応用」など、学習を続けていれば確実に出会うタイプの問題が多く、高得点が狙いやすいセットでした。逆に言うと、このあたりの学習がおろそかになっていると点数を取り切れないことでしょう。基本問題の徹底は大事だと痛感しますね。
関西医科大学(1/27)
今年の4私大の中では最も難易度が高かったのではないでしょうか。簡単に1つずつ見てみましょう。
第1問(データの分析/複素数平面)
正弦の和を複素数を用いて計算させる問題。経験がなければ難しい問題かもしれません。ちなみにMedi-UPでは前期に扱っています。
第2問(整数)
n進法に似た問題ですが、-2を基準とする形で考えさせるもので、少し戸惑ったかもしれません。迷ったときには具体的なnの値で実験してみることが大切で、今回もnの増加に対してどのように集合が変化していくのかを追ってみると解法が整理しやすかったのではないでしょうか。
第3問(複素数平面)
複素数平面上での軌跡の問題。内容としてはよくある問題ですが、座標平面に考え直して交点の個数を数えるのは難しいと感じる人もいたかもしれませんね。
第4問(平面図形)
3つの円と共通接線についての問題。直角や接線の性質をうまく使って考える必要があり、難しく感じるかもしれません。座標平面をとって考えれば発想は必要ありませんが、計算が煩雑になってしまい、迷いどころです。
難易度が高いとはいえ、数学で他の人と差をつけたい人は高得点が必要な内容です。見た目に圧倒されるのではなく、落ち着いて一つ一つ考えていくようにしましょう。
近畿大学(1/28)
今年は他学部との共通問題でした。多くの大学に共通することですが、図を描いて状況を整理すれば見通しが立てやすくなります。計算だけで押し通そうとするのではなく、条件を図から読み取る練習をするようにしましょう。第3問の最後は桁数や最高位の数を求めさせるもので、よくある問題でしたが、その解き方の意味を知っておかなければ解答しにくかったかもしれません。解法を覚えるだけでなく、なぜその方法で解けるのかを理解しておくようにしましょう。
大阪医科薬科大学(2/10)
今年から試験時間が100分から90分に変わって、問題数が4題となりました。難易度が高すぎるということはなく、バランスが良く標準的な内容でした。
第1問(数列の極限)
不等式を証明してから、数列の極限を求める問題。数学的帰納法による証明、漸化式を利用して不等式をつくることなど問題集にも載っているような標準的な内容でした。
第2問(ベクトル)
折れ線の長さの最小値を求める問題。対称点をとって直線でつなぐという基本的な問題で、(1)は解けるでしょう。2点ある場合でも考え方は同様で、対称点をとってまっすぐつなぐだけです。この問題に関しても、なぜその方法で解けるのかを理解しておくことが大切です。
第3問(極限/微分法)
カテナリーと直線の交点の個数を数える問題。2曲線が接する条件、交点をもつ条件をグラフから考察するのだが、極値がaを含む形で表されるので、戸惑ってしまったかもしれません。ちなみに、各曲線をx軸方向にa、y軸方向にbだけ平行移動すれば、条件が分かりやすくなります。
第4問(三角関数/図形と方程式)
見た目倒しの問題オブザイヤー。2変数あるように見えますが、x=rなのでθをパラメーターとする曲線を考える、曲線の通過領域の問題となります。この問題は順像法により考えるといいです。
今回は関西4私大の数学について書きましたが、こうして概観してみると、今年の難易度はかなり抑えられていると感じます。1年後に入試を迎える方は、
・基本問題の徹底
・具体的に考える
・解法の理解を深める
これらを意識して学習をつめば合格に近づくことでしょう。
後期入試が控えている方についても、これからできるのは基本を確認していくのみです。難しいことをする必要はありません。最後まであきらめずに頑張ってください。
今回書いた点で疑問に思った点や具体的に各問題について聞きたいことがあれば、お気軽にお声掛けください。一緒に医学部合格に向けて頑張りましょう。
Medi-UP講師
大矢 圭祐
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