医学部で出題される英語長文テーマですが、「医系に偏った内容」が多いと思っていませんか。確かに、医学部単独問題を採用する一部の国公立大学や私立医学部の中には、そのような大学もありますが、全体的に見渡すと、必ずしもそうであるとは言えません。例えば、関西四私大の過去3年間の長文テーマは以下のようになっています。
■大阪医科薬科大学(前期)
2023年:①弱い絆の力 ②カラス
2022年:①長寿 ②研究の技法
2021年:①米国疫学 ②不平等と社会政策
■関西医科大学(前期)
2023年:①訛り ②回復力
2022年:①ICカード ②ヴィーガン食品 ③高齢化社会
2021年:①犬を飼うこと ②睡眠 ③電子タバコ
■近畿大学(一般前期)
2023年:①小タンパク質 ②科学 ③宇宙開発事業
2022年:①宇宙ゴミ ②愚者 ③マルハナバチの行動
2021年:①コンピュータ ②スティーブン=ホーキング博士 ③早産
■兵庫医科大学(一般A)
2023年:①神経芽細胞種 ②新陳代謝 ③冬眠
2022年:①認知症 ②食事時間と代謝 ③苦しみ ④ストレス
2021年:①死への恐怖心 ②財布を落とした物語 ③大気汚染対策 ④最新筋電性義手
ご覧のように、兵庫医科大学は医系内容が多めですが、その他の大学は幅広いテーマが扱われていることが分かります。そもそも、大学入試で出題される英文には時事的な話題が取り上げられることが多く、その時代時代で「流行りのテーマ」なるものが確かに存在します。よって、医系に特化した内容ばかり出題されるわけではありません。そのテーマや背景知識を知っているか、そうでないかは読解力や得点力に大きくつながります。今回は最近の入試でよく出題される「頻出テーマ」をいくつか紹介します。是非、勉強の参考にしてみてください。
■AI ■感染症 ■貧困 ■言語 ■ジェンダー ■移民 ■気候変動
最後に…
入試問題は新聞や雑誌(The New York Times, The Times, The Guardian, Natureなど)から頻繁に採用されます。しかも最近は易しく書き直すことをせずに、新聞や雑誌に登場したままの難しい形で出題されることが増えています。こうした英文にあらかじめ触れておくと、入試に際して非常に有利です。版元のWebサイトで読める記事もありますし、また大学の過去問を解く際にも出典を確認するとよいでしょう。
Medi-UP 英語担当
熊 遼太
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