こんにちは。Medi-UP化学科の柴田です。今回は無機化学の勉強の仕方についてお話ししたいと思います。
(Medi-UP 化学担当 柴田祐志講師)
最近、いろんな生徒から「無機化学をどう勉強していいのかわからない」といった旨の質問を多く受けます。無機化合物の性質を覚えるだけでなく、様々な化学反応式を書けるようにしなければいけないので、暗記が苦手な生徒にとってはこれ以上の苦痛はないことでしょう。僕自身、受験生時代は無機化学には大変苦労しました。
しかし、あることを意識してからは随分と暗記が楽になりました。それは何かというと「反応の原理を考えること」です。一旦元素ごとに性質を覚えるのは後回しにして、教科書に登場する全ての反応式の「原理」を確認し、反応式の作り方を再確認しました。すると、高校化学に登場する化学変化はたったの数種類しかないことに気付いたのです。その数種類とは以下の5つです。
もっと大雑把な分類をするともう少し減りますが、たったの5種類です。皆さんが見たことのある反応式はこのいずれかに該当するはずです。
例えば、塩素の実験室的製法として、さらし粉と塩酸の反応がありますね。さらし粉は化学式がCaCl(ClO)・H2Oで表される「塩」です。塩は水溶液中では電離してバラバラになっているので
がまずおこります。次亜塩素酸HClOと塩酸HClでは次亜塩素酸の方が弱い酸なので弱酸遊離が起こります。
ここで生じた次亜塩素酸HClOが塩酸HClと反応してCl2が生成します。
この反応も単体のCl2が生成することから分かるように酸化還元反応です。これらをまとめると
CaCl(ClO)・H2O + 2HCl → CaCl2 + Cl2 + 2H2O
と反応式が完成します。
このように一見難しくて丸暗記が大変な反応も、細かく分けると酸塩基の反応と酸化還元反応の組み合わせでしかないことがわかります。このように反応の原理を丁寧に抑えながら勉強していくことで、丸暗記の負担は随分と減ることになると思うので実践してみてください!(さらし粉がCaCl(ClO)・H2Oなのは頑張って覚えましょう笑)
Medi-UP 化学担当
柴田祐志
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