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字がキレイだと得をする!?

大学入試小論文は、ますます進むデジタル社会において今後どのような形になるかは不透明ですが、現行は基本的に手書きの文章が要求されます。大学側は受験生の学力に加え、その人間性や物事に取り組む姿勢などの情報をできうる限り面接試験や小論文の文章から知りたいと考えているはずです。医学部入試の小論文では医療の知識の有無や文章の論理展開の巧拙、またいわゆる「ムチャ振り」に対する咄嗟の対応力などが主に吟味されることでしょう。では小論文の評価の対象はそれだけでしょうか。

長い間受験生の書いた肉筆の文章を目の前にして採点や講評をしてきた立場から言わせてもらえば、文章自体の内容もさることながら、その字の美醜や丁寧に記されているかどうかがその生徒に対する印象を大きく左右することは事実です。「人を見かけで判断するべからず」とよく言われるように、その人の「本質」と「字のキレイさ丁寧さ」は本来無関係なのかも知れません。しかしながら、字の書き振りからその人の性格や姿勢を勝手に決めつけてしまうというのも偽らざる人情というものなのです。

(国語・小論文担当 木村彰宏講師)

「字がキレイ」=「育ちが良くて上品・落ち着いていて几帳面・他者を思いやれる……」

「字が汚い」=「育ちが悪く下品・落ち着きがなくがさつ・自分勝手……」

そうであるならば、小論文試験においても「キレイで丁寧な字で書かれている文章」と「ほとんど判読不能に近い汚い字が羅列(しかも誤字脱字の連発などはさらに最悪)した文章」との他者に与える印象の差は、例えば面接試験時の面接官の対応にも大きく影響すると考えざるを得ません。

だからといって「受験生は今からペン習字を習いましょう」と言いたいわけではありません。まず自分が書いた字を他の人に見てもらい、読みにくいと判断されたのなら改善しようとする姿勢が大切です。素人の私が「美しい字の書き方」をここで講義しても説得力がありませんので、インターネットで検索したりして「字を美しく書くコツ」をどうか参考にして下さい(全く便利な世の中になったものです)。そのきっかけになるという意味でも小論文の授業は存在意義があると私は感じています。

Medi-UP講師
木村 彰宏

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