こんにちは。
東京大学3年生の学生です。
現在は理学部物理学科という学科に所属し、物理学を学んでいます!
私がこんな自己紹介をすると、物理って何やってるの?と必ず聞かれます。
普段は量子力学という、原子サイズの小さな世界のものの振る舞いや、光、電気、磁石の振る舞いを学んでいます、などと答えると、難しそうだねーと話が進んでいきます。
読者の方の中には、将来何をするか、志望校をどう決めるかを悩んでいる方も多いと思います。そこで今日は、私が上のようなやりとりをするほど認知されていない物理学をなぜやろうと思ったかと、一般的な進路の考え方について述べていきます。
私が物理学をやろうと思った原点は、幼い頃の知的好奇心にあると思っています。
3歳から5歳の子供の私は、知的好奇心のままに親になぜ、どうしてという疑問をぶつけまくり、親はその疑問に答えたり、私自身が調べるように誘導してくれました。そんな中で、自然現象のなぜ、どうしてを解決してくれる科学、とりわけ物理学への興味をゆっくりと育み、それを小学校の間に育てていきました(このような経緯もあり、3〜5歳の子供の知的好奇心を大切にすることは、その後の子供の成長に大きく貢献すると考えています)。
科学好きの子供のまま育った私は、高校入学時には物理学が好きという気持ちを明確にし、やがて物理学を良い環境で学べる東大に行ってみたいな、と志望するようになりました。幸いにも、私の高校時代の部活の先輩に物理好きな方がおり、その先輩が東大の物理学科志望だったため、「自分にも行けるのでは」という実感が湧きました。
つまり、私の大学志望の要因は、好きな学問の分野を学びたいという動機が根底にあり、周りに同じ志望を持つ人がいた、ということです。
大学で好きな分野を学んだら、将来就職の時に困るんじゃないか、という話も耳にしますが、私は本当に学びたい学問があるならば、大学ではそれを学んで良いのではないか、と思います。大学は学問をする場所というのが第一義ですし、日本の企業は大学名を見る慣習も根強く、ある程度ネームバリューのある大学に行けば(良くも悪くも)学問領域に関係なく就職できることも多いです。自分の学力だと、この分野だと就職が辛そうだけど学びたい、この分野だと就職しやすいけど興味は薄い、という迷いが生じているならば、まずは好きな分野からどういう就職先があるのか、大学等のHPから調べて見ると良いです。例えば私のいる物理学科では、卒業後金融業(銀行や証券)、コンサルタント、官公庁に就職される方が一定数います。そのどれもに興味がなく、好きな分野を学んで卒業した後、自分の気になる就職先に行くのが困難だと判断した場合に、就職しやすい分野を選ぶのが現実的ではないでしょうか。
将来やりたいことも、学びたいこともない!と焦っている方、落ち着いてください。やりたいことが決まっている、というのはレアケースで、大抵流れの中で決まるものです。
まず、世の中には知られていない職業がたくさんあります。職業から志望校を逆算する、というのは理想的なルートの一つなので、腰を据えて様々な分野の職業を調べてみることをお勧めします。
そんなことわかってるけど、とりあえず安定した職業に就きたいと考えている方向けに、いくつか独占業務の職業を紹介します。医者のように、資格を持つ人のみが働ける職業は安定する傾向にあります。例えば、会計士は、企業のお金のやり取りが正しいかどうかチェックしたり、税理士は企業、個人の税金に関するお金のやり取りを整理しています。この職業に就くためには、会計等の知識と同時に、それに関する法律の勉強が必要です。他にも、不動産の取引をする不動産屋には、宅地建物取引士と呼ばれる、法律を勉強して資格を取った人が必要になります。大きな建物を建てるときには、建築士の資格を持つ人が監督する必要があります(他の条件を満たせばOKという決まりもありますが割愛)。
安定職業の代表格である公務員になるには、共通試験に近い内容の一般教養が求められます。つまり、安定した職業に就きたい!と考えた場合も、どこかで勉強する必要が出てきます。
なんで勉強なんてするんだ、と思われている方、今は自分がどうやって勉強すれば様々なことを学べるのか習得することで、将来何かを学ぶ必要が出たときに役に立ちます。結局、無駄な勉強などなく、将来どこかで役に立つものです。
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