文部科学省から2024年に行う大学入試の実施要項についての通知がありました。
共通テストが始まった2021年以降、コロナ禍に伴い試験時のマスク着用義務や受験生の距離の確保などを求めていましたが、来年の入試では求めないとの通知とのことです。
また共通テストの追試験について、2021年以降は47都道府県で会場を設けていた会場が、以前の体制の2会場へ縮小されます。5月に新型コロナウイルスが、感染症法上の分類で五類に移行したことによる変更です。
医学部受験の面接や小論文では、感染症予防についての関連事柄が問われることも予想されます。
具体的には「予防接種の意義は?」「マスク着用ついてどう考えるか?」といった質問が想定されます。
医学部の面接で、詳しい医療や法律の知識が求められるケースは少ないと思いますが、特に小論文では最低限の予備知識が必要な場合があります。
実際、昨年12月に行われた滋賀医科大学の学校推薦型選抜の小論文では、ポール・オフィット著『反ワクチン運動の真実』を題材に、医師や看護師などの医療従事者を対象に予防接種を行うことの医学的意義を問う問題が出題されました。
また、医学部受験生としては、マスク着用についての考えを聞かれたときに迂闊に答えるのは避けたいです。少なくとも、厚生労働省や日本医師会が、『医療機関、介護施設、混雑した公共交通機関でのマスクの着用を推奨』していることは知っておくべきでしょう。
ところで感染症の分類について余談ですが、マンガ『鬼滅の刃』に登場する鬼は感染症に基づいて着想された、という説があります。
・上弦の壱 黒死牟 … 一類感染症の「ペスト」(別名:黒死病)
・上弦の弐 童磨 … 二類感染症の「結核」
・上弦の伍 玉壺 … 五類感染症の「アメーバ赤痢」
たしかに感染症が鬼の名前や特徴と合致している気がします。一、二、五は感染症法の類型まで同じですね。細かい点ではアメーバ赤痢は特有な『壺』型の潰瘍を形成することが知られています。
(アメーバ赤痢について:東邦大学医療センター大森病院 臨床検査部)
Medi-UP 土肥真輔
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