前回のブログでは、2024年度私立医学部入試【一般選抜)に関する主な変更点をお届けしました。今回は、学校推薦型・総合型選抜についての入試変更点をお伝えします。
(以下の情報は2023年6月27日(火)時点で判明している情報です)
新たな入学者選抜方法の導入
東京医科大学は、学校推薦型「全国ブロック別学校推薦型選抜」を新規実施(募集人員6名以内)します。実施目的は、学生の出身地域の多様性を確保するとともに、将来、地域の医療を担う人材を育成することで、将来は出身地に帰り、地域の医療に貢献しようとする強い意志をもつ入学者を選抜します。現役と1浪までが出願可能です。
大阪医科薬科大学は、総合型選抜「至誠仁術」入試(専願制)を廃止し、学校推薦型選抜「公募制推薦入試」(募集人員10名)を新規実施します。専願制で出願資格は現役生のみ、評定平均値(全体の学習成績概評)が4.0以上かつ出願時に英語資格・検定試験で大学が定める基準を満たすスコアを有している必要があり、英検であれば、2級以上が出願条件です。
久留米大学は、自己推薦型選抜(募集人員2名以内)を新規実施し、学校推薦型選抜で選抜します。専願制で、4年制以上の国内の大学(理系学部)を卒業後3年以内の者(学士)および卒業見込みの者かつ入学時満25歳以下の者)。6年制大学(歯・薬学部)の場合は満27歳以下の者であることが出願条件です。
産業医科大学は、総合型選抜「ラマツィーニ選抜」を新規実施(募集人員10名以内)します。ラマツィーニとは産業医学の学問的先駆者として活躍した「産業医学の父」といわれるベルナルディーノ・ラマツィーニの名前からとられた名称です。専願制で、出身地制限はなく、現役と2浪までが出願可能です。1次試験では、書類審査の他、面接(プレゼンテーション資料作成120分、プレゼンテーション10分+質疑応答約20分)により上位10位以内が2次試験で大学入学共通テストで3 教科(数学、理科、外国語)の得点が80%以上の者を最終合格者とします。
募集人員に変更がある大学
金沢医科大学は、総合型選抜(AO入試)14名→15名、学校推薦型選抜(指定校指定地域)6名→5名に変更します。久留米大学は、学校推薦型選抜(一般枠)約10名→約8名に変更します。産業医科大学は、学校推薦型選抜の各ブロックごとの募集人員を15名以内→20名以内に変更します。
出願資格に変更がある大学
藤田医科大学は、総合型選抜「ふじた未来入試」で専願枠を廃止し、新たに「独創一理枠」を新設します。独創一理枠は、出現役と1浪までを対象とし、なおかつ、藤田医科大学(大学·短大)を卒業した(学部不問)の2親等以内の親族であることが出願条件です。高3枠と違い、独創一理枠は国公立大学医学科合格に伴う辞退は不可であることに注意が必要です。
久留米大学は、学校推薦型選抜の出願資格であった評定平均3.8以上が「制限なし」となります。
2024年度私立医学部入試-穴場になる大学はどこだ!?
ここまで2回に分けて、2024年度私立医学部入試変更点について様々な角度から多くの情報をお伝えしてきました。最後に、2024年度医学部入試で見事合格という栄冠を勝ち獲るために、注目すべきいくつかの大学・入試区分をピックアップします。
獨協医科大学・一般(後期)・共通テスト利用選抜
➡大学入学共通テスト科目の増加と一般選抜(後期)の新規実施で複数回受験チャンスあり
金沢医科大学・総合型選抜(AO入試)
➡募集人員増、専願制だが、評定平均の制限がなく満25歳以下なら出願でき、基礎学力テストの数学はⅠAのみ理科基礎2科目選択で科目負担少
愛知医科大学・公募制推薦入試
➡志願者数が過去5年で最少、専願制だが、1浪までで評定3.7以上で出願でき、基礎学力試験は、英語と数学(ⅠAⅡBⅢ)
兵庫医科大学・総合型選抜(一般枠)
➡募集人員増、専願制で推薦書が必要だが、1浪までだが評定平均の制限なしで出願でき、同日に実施される学校推薦型選抜とは異なり、数学ⅠAⅡBは課されない
大阪医科薬科大学・公募制推薦入試(専願制)
➡初年度入試のため要注目の入試区分。英検2級以上等の英語資格が必要で、基礎学力試験は、数学と理科2科目、小論文、面接を実施
Medi-UP入試情報担当 川原 仁志
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