9月30日(火)に川崎医科大学医学部の 入学センターの方をお招きし、オンラインライブ形式で医学部入試説明会を行いました。大学の特色と2026年度入試概要についてお聞きしました。

川崎医科大学の特色について
川崎医科大学は岡山県倉敷市にあり、1970年に創設者である川﨑祐宣の名前から採られた新設医学部で、2025年に創立55年を迎えました。JR山陽本線岡山駅から3つ目の中庄駅で下車、徒歩約15分のところにあります。大学に隣接する川崎医科大学附属病院と、岡山市内にある附属病院である「総合医療センター」、2023年9月には3番目の附属病院となる「高齢者医療センター」を開院しました。さらに単科医科大学としては全国で唯一となる川崎医科大学附属高等学校を併設しています。
川﨑祐宣は、「病院は患者さんのためにある」という病院理念を掲げ、現在のような救急医療体制もない状態から24時間患者さんを受け入れていました。以来、その病院理念を引き継ぐ形で1977年に日本で最初の救急医学講座を開設し、2001年には全国に先駆けてドクターヘリを導入しました。これにより搬送時間の大幅な短縮により救命率が上がりました。
川崎医科大学は「良医」の育成を教育目標に掲げています。単に医師国家試験に合格するだけでなく患者から信頼され、人間性豊かな幅広い知識と技能を有し、全人的医療ができるだけではなく専門性と研究マインドを持ち新しい医学に貢献できる医師を育成することに力を入れています。
「人間(ひと)をつくる・体をつくる・医学をきわめる」という建学の理念に基づき6年間の医学教育を行います。「人間(ひと)をつくる」に対しては、1年生全員が寮生活を送る全寮制と1~6学年の学年横割りで、4~5名の学生を1名の教員が個々の個性に合わせた指導を行う小グループ制度があります。「体をつくる」に対しては、充実した設備のもとで運動部・文化部が活発に活動し、先輩後輩の絆を深めています。「医学をきわめる」に対しては、全国の医学部共通モデル・コア・カリキュラムがある中、1年生の9月から人体の臓器・組織の名称を覚える人体解剖実習があります。また2年生の11月に行われる「医学研究の扉」は、研究マインドを涵養するために、他の大学医学部の基礎医学または臨床医学の教室に1か月間配属され、医学研究に従事し、その成果を発表します。卒業後の臨床研修についての特徴として、19ある専門医研修プログラムすべてを設定している全国にある約60ある病院のうち岡山県内では唯一川崎医科大学附属病院だけです。第119回医師国家試験の新卒の合格率は87.5%でした。
総合型選抜について
2026年度入試については大きな変更点はありません。
総合型選抜を実施する中国・四国出身者枠、霧島市地域枠、特定診療科専攻枠はいずれも専願制です。総合適性試験は記述式で、英語、数学、理科(2科目を選択受験)、国語・一般教養から出題されます。加えて小論文、面接と合わせて総合判定をします。
総合型選抜では保護者の方以外で医師に限らずコメディカルの医療従事者の方からの推薦書が出願時に必要です。
特定診療科専攻枠の出願資格は、2026年4月1日現在22歳以下で全国から出願可能です。医学部の6年間と初期研修期間終了までは全ての診療科をローテーションで回り、後期研修からは救急科、総合診療科、麻酔・集中治療科の3科のうちいずれかを選択することが出願条件です。
中国・四国地域出身者枠と霧島市地域枠の出願資格は、2026年4月1日現在22歳以下の者です。また、中国・四国出身者枠は中国・四国9県の高校卒業者か中国・四国9県の住民であること、霧島市枠は霧島市内の高校出身者または、霧島市の住民であることが必要です。
卒業後、特定診療科選考枠、中国・四国出身者枠、霧島市地域枠いずれも初期臨床研修を含む6年間川崎医科大学附属病院をはじめとする3つの病院で研修を行うことが条件です。2026年度4月より、医師国家試験に合格し、川崎医科大学附属病院等で初期研修を行う医学生に対し奨学金200万円が貸与される「川崎学園良医育成奨学金」が開始されます。
一般選抜について
2026年度入試の一般選抜の1次試験日が2月に実施となり、2月1日(日)に実施されます。長崎県地域枠の募集人員が4名の予定です。一般選抜の2次試験は2日間ありますが、2日間のうちどちらになるかは大学が指定します。出願が早ければ1日目、出願締切に近ければ2日目となる可能性があることは例年通りです。1次試験は英語・数学・理科2科目の学力試験で判定し、2次試験の小論文、面接、調査書等と合わせて多面的・総合的に評価し判定します。2025年度1次試験の合格最低点は350点中258.5点(得点率73.9%)でしたが、1次試験で最大限多くの点数をとることが必要だということです。1次試験でのケアレスミスに気をつけること、また不得意科目と得意科目との得点差を最大限小さくすることが大切です。この2点は医学部入学後の学修においても不可欠な要素です。
2025年度入学者の年齢別構成について
2025年度入学者135名のうち現役・浪人比率は、現役:浪人=36%:64%でした。年齢別構成では、現役48名、1浪が41名、2浪が28名、3浪が8名、4浪以上が10名です。
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