物理に比べて生物が受験に不利な理由とは?
生物は、物理に較べ受験に不利な科目です。それ故に間違った勉強を避けて、元々不利な状況をさらに不利にしてしまわないように注意する必要があります。
さて、その受験科目として生物の不利な点とはなんでしょうか?それは生物が物理と比べ自習が困難である点です。物理は思考の筋道が正しく数式の処理も正しければ正解にたどり着けます。自分が作成した答案が正しいか間違っているか、自分で判断できるのです。
しかし、生物の場合、学習者の立場では何が正解で何が不正解なのかぼんやりとしか解らないという欠点があるのです。
生物の入試問題の正解の根拠は検定教科書にあり
では指導者はなぜ何が正しくて何が正しくない(あるいは範囲外)かを判別できるかといえば、それは指導者が「公的機関に審査され、内容を公的に保証された資料」に目を通しているからです。
その資料とは、皆さんが学校で使用している「検定教科書」です。教科書検定によって、検定教科書の内容は「嘘でない/正確である」あるいは「学習指導要領に基づいて取り決めた嘘」になっていることが保証されているのです。
つまり受験生の立場では、検定教科書の記述は「公的に保証された入試問題の正解集」ということになります。「~について説明せよ」タイプの論述問題や真偽判定させるタイプの問題は、検定教科書の記述に沿っていれば真、反していれば偽ということになるのです。
以前センター試験で、出題者が5つの選択肢のうち1つだけが正解と発表したにもかかわらず、某予備校からの指摘を受けて、なんと5つの選択肢のなかの3つが正解であると訂正したことがありました。
作題者でない者がなぜ指摘できるかといえば、それは「検定教科書の記述が入試の正解」だからです。1冊でも検定教科書に記述があれば、それも入試における正解となります。さらに(複数の教科書で)本文の記述になっていれば、胸を張って入試に出題できます。抗議されても負ける恐れはありません。
学習指導要領の改訂によって用語の定義や記述が変わる
さて生物に関しては、課程が移行する度、教科書の記述が思ったより変わってしまうという特徴もあります。
たとえば昭和の参考書や問題集で正しいとされていた記述が、現行の教科書では否定される事などザラにあります。用語そのものの定義が昔と変わってしまった事もありましたし、新しい科学的発見により記述が修正されることも無視できない頻度でおこります。
生物の指導者は課程が移行する度に緊張感を持って教科書の記述を点検する必要があります。さもないと生徒に間違いを教えてしまうという危険性があるからです。誠実に授業に取り組むには、日本で使用されている検定教科書のすべてを購入しその記述に目を通す必要があります。
生物の学習の土台は検定教科書と勉強法を指南する指導者
受験生のみなさん。市販されている参考書や資料集は検定されたものではありません。教科書の内容がわかった上で補助的に利用するのはかまいませんが、教科書に何が書いてあるかも解らない状態でそれらのみに頼るのは好ましくありません。
まず検定教科書を入手しましょう。学校で購入したものに加えてあと2種類ほどあれば良いと思います。そしてその内容を整理して理解するのが、本当は正しい勉強法なのです。
ただ受験生はとても忙しいです。そこまで生物に時間は割けません。
そこで「整理する」部分と「理解しやすくする」、「記憶しやすくする」という部分を、予備校の生物の指導者は請け負っているのです。
Medi-UP生物講師
上田 耕滋
<<<<<<< Medi-UPからのお知らせ >>>>>>>
◆【近畿大学医学部】推薦入試対策講座2022はコチラ
◆【関西医科大学】推薦入試対策講座2022はコチラ
◆【兵庫医科大学】学校推薦型&総合型選抜入試対策講座2022はコチラ
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。