みなさん、こんにちは。Medi-UP英語科の中新です。2022年も終わりに近づき、いよいよ本格的な受験シーズンを迎えています。受験生の人は、入試に向けて過去問を解いている時期かと思いますが、特に私立医学部の問題は、難易度、形式、求められる力などが様々で、私立医大を受験する人にとっては悩ましいことだと思います。もちろんどの医学部を受験するにせよ、基本的な英語の力(語彙力/文法力/読解力/英作文力など)は必要となりますが、1点を争う医学部受験においては大学ごとの特徴を理解したうえで対策を講じることは非常に有効な戦略となることは間違いありません。
そこで、このブログでは、不定期シリーズものとして、『私立医大の英語を知る』をテーマに、医学部受験のプロの目線から各大学の入試の特徴や傾向を、なるべく簡潔にまとめて紹介していきたいと思いますので、みなさまの学習に役立てていただければと思います。
シリーズ第1回目の今回は、Medi-UPの生徒も毎年多く受験し、Medi-UP卒業生も多く在籍している『兵庫医科大学』の入試問題を紹介していきます。
一般A(4科目型)と一般B(高大接続型)の入試制度
まず、基本的な知識として、兵庫医科大学の一般入試はA (4科目型)とB(高大接続型)の二つの受験方式があります。受験科目や受験資格の違い(B方式では英検2級以上、GTEC960点以上etc.の保有が条件など)の詳細は大学のHPを確認いただければと思いますが、B方式においては英語がより重視されるということが最大の違いとなっています。
少しややこしいですが、B方式では、まずA方式と共通の問題を解き、数学+理科(高得点1科目)で合否が判定され、合格者には二次試験として、方式独自の英語の試験が実施されます。A方式では出題されていない自由英作文がB方式では出題されています。自由英作文が出題される私立医学部はあまり多くありませんが、兵庫医科大学のB方式入試を考えている方はしっかりと対策をしておく必要があります。問題の難易度自体もB方式の入試の方がやや高く、かなりの英語力が要求される入試となっていますが、英語が得意な受験生にはお勧めなのがB方式と言えると思います。両方式で共通する問題形式もあるため、イメージとしては、A方式の出題形式の難易度が高いver.+自由英作文の構成と考えていただければと思います。
一般A(4科目型)英語の出題傾向
では、どういったタイプの問題が出題されているのかを分析していきましょう。兵庫医科大学の一般A方式の英語を簡単にまとめると下記のようになります。
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【兵庫医科大学(一般A)の英語】
【試験時間/配点】90分/150点
【出題形式】
<記述式>空所補充問題、和訳問題、言い換え問題、説明問題、和文英訳、語句整序問題など
【難易度や傾向】
・記述量が多く、試験時間に対する問題量はやや多い
・和訳問題では文構造が取りにくく、語彙のレベルも高い難解な英文も出題されているが、近年は、文構造自体は難解ではないが、文脈や指示語を正しく理解しなければうまく訳出できないタイプの問題も増加傾向
⇒英文を飛ばして読んだり、スラッシュリーディングなどの速読偏重の読解法に頼るのではなく、文法理論に基づいた正確な英文解釈の力と論理的に英文を読み進める読解力が必要不可欠
・和文英訳問題は堅めの内容からエッセイ調の日本文まで幅広く出題され、難関国公立大(京大や阪大)レベル
⇒すべてを完璧に英訳することは極めて困難。日本文のメッセージを読み取り、表現や語彙をうまく言い換えて、間違いのない平易な英語で表すことが重要
・長文問題は医系内容に限らず、様々なテーマ(環境問題/社会問題/科学など)から出題
・長文空所補充問題では前置詞や副詞を問う問題が多く、イディオム系の問題も頻出
⇒イディオム問題は他大学でも多く出題され、語句整序で問われたり、英作文で使える場合も多いので、普段から地道に勉強しておくことが重要
<まとめ>
記述問題が全般的に難易度が高いため、文法やイディオムに絡む問題や記号系の問題で失点しないかも重要となる。国公立大学の英語に近いイメージで、私立医学部で多くみられるマーク形式の勉強を中心にしていても合格点に到達することは困難である。読解力、語彙力・文法力、英作文力など総合的な英語力が必要である。
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今回は兵庫医科大学の英語に関して書かせていただきましたが、たった1つの大学だけでも対策がどれだけ大変だと実感してもらえたかと思います。今後も色々な医学部の英語に関して紹介させていただきますのでお楽しみに。
今回のように大学ごとの問題の特徴を知ることは当然として、入試方式、面接試験の内容、受験日程など、医学部入試では「知らない」ということは損をすることを意味します。医学部の入試は情報戦というのが医学部受験界では常識です。
Medi-UP講師
中新 洋平
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